2019年03月25日

東京大学との連携協定に基づく成果 第二弾を発表―『大麦若葉エキス末』が骨格筋への糖取り込みを促進―

株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役社長:服部利光)は、東京大学生産技術研究所 竹内昌治教授、株式会社セルファイバ(本社:東京都文京区、代表取締役:安達亜希)との共同研究において、大麦若葉エキス末が骨格筋への糖の取り込みを促進することを確認し、日本農芸化学会2019年度大会において発表しました。

【演題】骨格筋ファイバに対する大麦若葉エキス末の糖取り込み作用

【講演者】
正路佳代子1)、安達亜希1)、森川 琢海2)、尾上貴俊2)、鍔田仁人2)、島亜衣3)、竹内昌治3)
1)株式会社セルファイバ、2)株式会社東洋新薬、3)東京大学生産技術研究所

■『大麦若葉エキス末』とは
大麦若葉エキス末は、イネ科オオムギの若葉部を非加熱で圧搾し、乾燥させた機能性食品素材で、ポリフェノールや総クロロフィルを豊富に含み、青汁などの原料として用いられています。
今回、当社と東京大学生産技術研究所 竹内昌治教授および株式会社セルファイバは、細胞試験において大麦若葉エキス末の骨格筋への糖取り込み促進作用を確認し、日本農芸化学会2019年度大会(2019年3月24日(日)~27日(水)、東京農業大学世田谷キャンパス)において発表しました。

■研究のポイント
当社は2016年10月に東京大学と連携協定を締結し、健康食品、化粧品等の新規素材開発及び製剤技術開発とその実用化に向けた共同研究を推進してきました。
これまでの研究で大麦若葉エキス末の整腸作用、抗酸化作用が示されていましたが、今回新たに構築した細胞ファイバを用いた実験系において、大麦若葉エキス末が骨格筋への糖の取り込みを促進することを確認しました。
今回の共同研究で用いた細胞ファイバ(骨格筋ファイバ〔注①〕)は、筒状のゲルの中空に細胞を培養したひも状の細胞組織で、筋肉、血管など体内の繊維状の組織構造を模倣した三次元の細胞組織を作製することが可能です。したがって、従来の三次元培養〔注②〕よりも、より生体に近い条件であるといえます。

■発表骨子
骨格筋ファイバに大麦若葉エキス末または大麦若葉エキス末+Wortmannin〔注③〕を添加・培養した後、糖を添加し、骨格筋ファイバへ取り込まれた糖の量を測定しました。
その結果、大麦若葉エキス末による糖の取り込み促進作用が認められ、それがWortmanninによって抑制されることが確認されました。
以上のことから、大麦若葉エキス末はインスリンシグナル〔注④〕を介して骨格筋への糖取り込みを促進することが示唆され、大麦若葉エキス末の摂取は筋肉のエネルギー産生や血糖値の低下に有用であることが考えられました。また、骨格筋ファイバを用いることで、従来の技術よりも生体に近い条件で大麦若葉エキス末の骨格筋への糖取り込み促進作用を確認することができました。

東京大学との連携協定では、東京大学産学協創推進本部とともに研究テーマの探索から取り組み、いくつかの共同研究を進めてきましたが、今回の発表はその一環となります。
東洋新薬は今後も大学や自治体との連携協定の取組を通じて、健康食品、化粧品等の新たな市場を創造し、社会に貢献して参ります。

〔注①〕 骨格筋ファイバ
マウス筋芽細胞(C2C12)を細胞外マトリクスと共に筒状のゲルの中空に流し込んで培養し、骨格筋細胞へと分化を誘導したひも状の細胞組織です。

〔注②〕 三次元培養
細胞の凝集塊を形成させ三次元的に培養する方法です。細胞を単層で培養する平面培養(一般的な細胞培養技術)よりも、より生体に近い条件での評価が可能となります。

〔注③〕 Wortmannin
インスリンシグナルの阻害剤です。

〔注④〕 インスリンシグナル
インスリンがインスリン受容体に結合することで活性化し、血液中の糖(グルコース)を細胞内へと取り込みます。筋肉への糖の取り込みは、インスリンシグナルと筋収縮によって活性化される経路の2つが知られています。

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