2013年04月12日

東洋新薬 『黒ショウガ』の褐色脂肪組織を支配する交感神経活動の活性化および体温上昇作用を確認

株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、これまでに『黒ショウガ』による体脂肪蓄積低減作用および体温低下抑制作用を確認しておりますが、今回新たに褐色脂肪組織を支配する交感神経活動を活性化させ、さらに体温上昇作用を有することを動物およびヒト試験により確認し、日本薬学会第133年会において発表いたしました。

■『黒ショウガ』とは
『黒ショウガ』は、ショウガ科バンウコン属の植物で、学名をKaempferia parviflora、英名では“Black Ginger”、ラオス語では“Khing-dam:キング(ショウガ)-ダム(黒い)”と呼ばれています。

黒ショウガはタイやラオスの山間部に自生し、現地ではお茶やリキュールなどにして飲まれており、伝承的な作用として滋養強壮や冷え性改善があると言われてきました。また、黒ショウガの特徴成分である、「ポリメトキシフラボノイド」には、これまでの研究により抗炎症作用や抗アレルギー作用があることが報告されています。

今回当社は、大阪大学 永井克也 名誉教授、武蔵野大学薬学部 油田正樹 教授、および嶋田努 客員研究員との共同研究において、黒ショウガが褐色脂肪組織を支配する交感神経活動を活性化させ、さらに体温上昇作用を有することを動物およびヒト試験により確認し、日本薬学会第133年会(2013年3月27日(水)~30日(土)、パシフィコ横浜)において発表いたしました。

■研究のポイント
女性の「冷え性」に着目したショウガを使った商品が、体を温める素材として脚光を浴びています。ショウガ関連商品のニーズが高まる中、当社では黒ショウガが持つ機能性の高さに着目し、これまでに体脂肪蓄積低減作用および体温低下抑制作用を確認しております。
今回新たに、黒ショウガが代謝アップや体温上昇などダイエットの鍵として近年関心を集めている褐色脂肪組織を支配する交感神経活動を活性化させ、さらに体温上昇作用を有することを確認しました。これらのエビデンス蓄積により、冷え性対策や代謝改善、シェイプアップなど幅広い訴求での商品展開が期待されます。

■発表骨子
【褐色脂肪組織における交感神経活動】
雄性ラットの十二指腸に、黒ショウガエキス(5mg/kg;以下、KPE群)を投与し、褐色脂肪組織〔注①〕の上部を走る交感神経の活動を、活動電位パルス〔注②〕にて投与から60分後まで測定しました。なお対照として、蒸留水のみを摂取させた群(対照群)を設けました。
その結果、対照群と比較して、KPE群で交感神経活動が有意に亢進することを確認しました。
以上の結果より、黒ショウガは褐色脂肪組織を支配する交感神経活動を活性化することが示されました。

【体温上昇作用】
雄性ラットの十二指腸に、黒ショウガエキス(5mg/kg;以下、KPE群)を投与し、褐色脂肪組織上に設置したサーミスタ〔注③〕を用いて投与から60分後までの温度を測定しました。なお対照として、蒸留水のみを投与させた群(対照群)を設けました。
その結果、対照群と比較して、KPE群で有意な温度低下抑制作用が確認され、体温を上昇させることが示されました。

さらに、5人の健常男性に黒ショウガエキスを摂取させ、その後60分までの体温を赤外線サーモグラフィー〔注④〕にて測定しました。
その結果、ヒトで褐色脂肪組織が存在するといわれる鎖骨上部での皮膚表面温度が、摂取前と比較して有意に上昇しました。

東洋新薬では今後も『黒ショウガ』の機能性を探求し、独自性の高い素材開発、商品開発に注力して参ります。

〔注①〕褐色脂肪組織
動物などでは褐色脂肪組織の存在が確認されていましたが、近年、ヒトにも存在することが明らかとなり、熱産生組織として大変注目を集めています。褐色脂肪組織は代謝をあげ、体温を上昇させる働きがあると言われています。

〔注②〕活動電位パルスの測定
交感神経の電気信号をアンプで増幅し、パルスカウンターで時間当たりのパルス数(短時間に急峻な変化をする波形)を算出しています。パルス数が多いほど神経が活性化し、興奮している状態です。

〔注③〕サーミスタ
温度変化に対して電気抵抗の変化の大きい抵抗体であることから、本試験では体温を測定するために用いています。

〔注④〕赤外線サーモグラフィー
物体から放射されている赤外線エネルギーを検出し、その受光量を温度分布として画像に変換する装置です。体表の温度変化を測定するために用いています。

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