2011年05月25日

「すいおう(甘藷若葉末)」抽出物の耐糖能改善作用を確認

株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、すいおう(甘藷若葉末)抽出物の耐糖能改善作用を確認し、第65回日本栄養・食糧学会において発表いたしました。

『すいおう(甘藷若葉末)』とは、サツマイモの一品種である「すいおう(翠王)」の茎と葉をまるごと粉砕し、粉末化した東洋新薬の独自素材です。「すいおう」は、サツマイモの茎葉特有のえぐみや苦味を品種改良によって改善した茎葉利用品種で、ポリフェノールを豊富に含むのが特徴です。

今回当社は、中部大学 応用生物学部 津田 孝範 准教授、北海道大学大学院農学研究院 原 博 教授および比良 徹 助教との共同研究において、すいおう60%エタノール抽出物の継続的摂取による耐糖能改善作用を確認しましたので、第65回日本栄養・食糧学会(2011年5月13日(金)~15日(日)、東京・お茶の水女子大学)において発表いたしました。

■発表骨子
2型糖尿病[注①]モデルである雄性KK-Ayマウス[注②]に、主に食物繊維などが除去されたすいおう60%エタノール抽出物[注③]を1%配合した普通飼料(すいおう60%エタノール抽出物群)を5週間自由摂取させた後、耐糖能試験[注④]を実施しました。なお対照として、すいおう60%エタノール抽出物を配合していない普通飼料を自由摂取させた群(対照群)を設けました。
その結果、すいおう60%エタノール抽出物群において、対照群と比較して血糖値の上昇を有意に抑制することが確認されました。このことから、すいおう60%エタノール抽出物を続継的に摂取することで、耐糖能改善作用を有することが示唆されました。また、すいおう60%エタノール抽出物で耐糖能改善作用が確認され、すいおうの糖尿病改善作用に、食物繊維以外の成分が関与する可能性が示唆されました。

東洋新薬は今後もすいおうの機能性をさらに解明し、生活習慣病に対応した商品の開発に注力してまいります。

〔注①〕2型糖尿病
糖尿病は、1型と2型にタイプ別される。2型糖尿病は、主に血糖値(血液中のブドウ糖濃度)を下げるインスリンの働きが悪くなることにより起こるとされている。食生活や運動などの生活習慣が関わっている場合が多く、わが国の糖尿病の95%以上はこのタイプであると言われている。

〔注②〕KK-Ayマウス
早期かつ重度に肥満・高血糖を示し、2型糖尿病モデルとして研究に一般的に用いられるマウス

〔注③〕すいおう60%エタノール抽出物
すいおうを60%(v/v)エタノールで抽出し、乾燥することで得られる。60%エタノール抽出過程で、主に食物繊維などが除かれるため、本抽出物には食物繊維以外の成分が含まれる。

〔注④〕耐糖能試験
糖負荷試験ともいう。通常グルコースを投与し、経時的な血糖値の推移をみる試験であり、耐糖能を判断するための試験である。

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