2007年06月18日

東洋新薬 『フラバンジェノール®』とアスタキサンチンの併用による糖尿病合併症抑制効果を確認

株式会社東洋新薬(本社: 福岡県福岡市、本部: 佐賀県鳥栖市、代表取締役: 服部利光)は日本女子大学 グュエン・ヴァン・チュエン教授、富士化学工業株式会社と共同研究を行い、『フラバンジェノール®』※1とアスタキサンチン※2の併用による糖尿病合併症抑制効果を確認したことを第61回日本栄養・食糧学会大会(2007年5月17日-20日開催)で発表しました。

糖尿病で長期間高血糖状態にさらされると、酸化ストレス※3によって生体内のあらゆる組織中の脂質が過酸化され、白内障などの合併症を引き起こすといわれています。
東洋新薬は、糖尿病モデルラットにフラバンジェノールとアスタキサンチン併用投与した場合、『フラバンジェノール®』またはアスタキサンチンの単独投与よりも強い酸化ストレス低減作用が現れ、その結果、糖尿病合併症を抑制することを確認しました。

■ レンズ中の過酸化脂質生成抑制作用
糖尿病モデルラットを対照群【C群】、飼料中にアスタキサンチン(アスタリール®オイル50F / 富士化学工業製) 100ppmを含む群【A群】、『フラバンジェノール®』0.2%を含む群【F群】、アスタキサンチン100ppmと『フラバンジェノール®』0.2%を含む群【M群】に分けて12週間飼育した後、レンズ中の脂質過酸化度を、TBARS※4量を指標として測定しました。
その結果C群に対して、A群とF群は低下傾向を示し、M群は有意に低下しました。また白内障の進行具合を調べたところ、F群とM群で抑制傾向を示しました。

■ DNA酸化障害抑制作用
糖尿病モデルラットの尿中8-OHdG※6を測定したところ、C群に対してA群とF群は低下傾向を示し、M群は有意に低下しました。

これらの結果から、『フラバンジェノール®』とアスタキサンチンを併用することで糖尿病合併症に対してより効果的に作用すること、さらにその作用は体内における酸化ストレスの低減によるものであることが示唆されました。

東洋新薬は今後『フラバンジェノール®』の機能性をさらに解明し、糖尿病対応の商品開発に注力してまいります。

※1 『フラバンジェノール®』
フランス南西部に生育する海岸松の樹皮から抽出した東洋新薬の独自素材で、抗酸化作用や血流改善作用など様々な生理活性を示すオリゴメリック・プロアントシアニジン(OPC)を豊富に含んでいる。フランスで海岸松の樹皮抽出物は医薬品として長年利用されている。東洋新薬は臨床試験での美容効果、血流改善効果、in vivo試験での体脂肪抑制効果を確認しているほか、第61回日本栄養・食糧学会大会で血糖値上昇抑制作用についても発表した。

※2 アスタキサンチン
甲殻類の殻やサケ科魚類の筋肉に含まれる赤色色素で、主に微細藻類のヘマトコッカス藻から抽出される。高い抗酸化作用を持ち、紫外線や脂質過酸化から生体を防御する因子として働く。
なおアスタリールPⓇPオイル50Fは、アスタキサンチンの脂肪酸エステルを含有する。

※3 酸化ストレス
生体内で生成する活性酸素群の酸化損傷力と、生体内抗酸化システムの抗酸化ポテンシャルの差として定義される。酸化ストレスが増幅すると体内のDNAや脂質、タンパク質が酸化による損傷を受けやすくなり、これがさまざまな生活習慣病を引き起こす原因になると考えられている。

※4 TBARS
チオバルビツール酸反応物質(thiobarbituric acid reacting substances)の略で、MDA※5が代表的物質である。チオバルビツール酸と反応して生成する有色物質の量を測定することにより、脂質過酸化度を測定することができる。

※5 MDA
マロンジアルデヒド(malondialdehyde)の略。TBARSの一つで、脂質の過酸化により生成する物質。

※6 尿中8-OHdG
DNAを構成するデオキシグアノシンが、活性酸素などにより酸化されると8-hydroxydeoxyguanosine (8-OHdG)となり、DNAから異物として切り出されて尿中に排出される。DNA酸化障害のマーカーとして用いられる。

『フラバンジェノール』は、株式会社東洋新薬の登録商標です。

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