2012年09月03日

東洋新薬 『すいおう(甘藷若葉末)』の血糖値上昇抑制作用に関する新たな知見を確認

株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、『すいおう(甘藷若葉末)』の血糖値上昇抑制作用に関する新たな知見を確認し、日本健康科学学会第28回学術大会において発表いたしました。

『すいおう(甘藷若葉末)』とは、サツマイモの一品種である「すいおう(翠王)」の茎と葉をまるごと粉砕し、粉末化した東洋新薬の独自素材です。「すいおう(翠王)」は、えぐ味と青臭さのためこれまで敬遠されがちだったサツマイモの葉・茎・葉柄をおいしく食べられるように開発された品種で、ポリフェノールを豊富に含むのが特徴です。

当社は既に、健常成人を用いた臨床試験において、すいおうの食後血糖値上昇抑制作用を確認し、日本農芸化学会2008年度大会において発表しており、青汁素材としての商品化も進んでおります。

今回当社は、すいおうの血糖値上昇抑制作用に関して、本作用を有することが確認されている青汁素材である桑葉末との比較を行いました。その結果、本作用に関する新たな知見をin vivoにおいて確認し、日本健康科学学会第28回学術大会(2012年9月1日(土)~2日(日)、星薬科大学・百年記念館)において発表いたしました。

■発表骨子
ラットに、被験物質としてすいおう懸濁液(すいおう群)、桑葉末懸濁液(桑葉末群)、または対照として水(コントロール群)を経口投与しました。各被験物質を経口投与した後、二糖類であるスクロース〔注①〕を経口投与、単糖類であるグルコース〔注②〕を経口投与または腹腔内投与〔注③〕し、経時的に血糖値を測定しました。
その結果、スクロース経口投与時では、コントロール群と比較して、すいおう群および桑葉末群ともに血糖値変化の有意な低下がみられました。また、グルコース経口投与または腹腔内投与時では、すいおう群のみで血糖値変化の有意な低下がみられました。

以上の結果から、桑葉末では二糖類であるスクロース経口投与時のみ血糖値上昇抑制作用が確認され、そのメカニズムとして、α-グルコシダーゼ〔注④〕阻害作用が関与する可能性が考えられました。
それに対してすいおうでは、スクロース経口投与時に加えて、桑葉末では確認されなかったグルコース経口投与および腹腔内投与時においても血糖値上昇抑制作用を示したことから、血糖値上昇抑制作用メカニズムの一因として、桑葉末とは異なるメカニズムが関与する可能性が考えられました。

東洋新薬は今後もすいおうの機能性をさらに解明し、生活習慣病に対応した商品の開発に注力してまいります。

〔注①〕 スクロース
二糖類の一つで単糖類のグルコースとフルクトースが結合した化学構造を有し、スクロース(ショ糖)は、砂糖の主成分である。スクロースを摂取した場合、消化酵素であるα-グルコシダーゼの作用によりグルコースとフルクトースに消化された後、それぞれ小腸より吸収される。

〔注②〕 グルコース
グルコース(ブドウ糖)は単糖類の一つであり、果実や蜂蜜などに含まれる。グルコースを摂取した場合、消化酵素の作用を受けずにそのままグルコースとして小腸より吸収される。

〔注③〕 腹腔内投与
腹腔内に投与する方法である。投与物は、経口投与とは異なって消化管を介さずに体内に投与されるため、消化管内における投与物の影響を除外することができる。

〔注④〕 α-グルコシダーゼ
二糖類を単糖に消化する酵素であり、小腸上皮細胞に膜酵素として発現している。
代表例として二糖類であるスクロースをグルコースとフルクトースに消化する。

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