2012年04月06日

東洋新薬 『すいおう(甘藷若葉末)』抽出物の血糖値上昇抑制作用のメカニズムに関する知見を確認

株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、『すいおう(甘藷若葉末)』抽出物の血糖値上昇抑制作用のメカニズムに関する知見を確認し、日本農芸化学会2012年度大会において発表いたしました。

『すいおう(甘藷若葉末)』とは、サツマイモの一品種である「すいおう(翠王)」の茎と葉をまるごと粉砕し、粉末化した東洋新薬の独自素材です。「すいおう(翠王)」は、えぐ味と青臭さのためこれまで敬遠されがちだったサツマイモの葉・茎・葉柄をおいしく食べられるように開発された品種で、ポリフェノールを豊富に含むのが特徴です。

当社は既に健常成人を用いた臨床試験において、すいおうの食後血糖値上昇抑制作用を確認し、日本農芸化学会2008年度大会において発表しております。

今回当社は、中部大学応用生物学部 津田 孝範 准教授、北海道大学大学院農学研究院 原 博 教授および比良 徹 助教との共同研究において、主に食物繊維などが除去されたすいおうエタノール抽出物を用いて、血糖値上昇抑制作用のメカニズムに関する知見をin vitroで確認し、日本農芸化学会2012年度大会(2012年3月22日(木)~26日(月)、京都女子大学、聖護院、ウェスティン都ホテル京都)において発表いたしました。

■発表骨子
すいおうエタノール抽出物の血糖値上昇抑制作用のメカニズム解明において、消化管ホルモンであるglucagon-like peptide-1(GLP-1)〔注①〕に着目しました。
GLP-1を産生する細胞(GLUTag細胞〔注②〕)にすいおうエタノール抽出物溶液を添加した後、上清中のGLP-1濃度を測定し、GLP-1分泌に及ぼす影響を検討しました。
その結果、すいおうエタノール抽出物により上清中のGLP-1濃度に有意な上昇がみられ、in vitroにおいてすいおうエタノール抽出物がGLP-1分泌を促進することが確認されました。
このことから、すいおうエタノール抽出物の血糖値上昇抑制作用のメカニズムとして、消化管におけるGLP-1分泌の促進が一因になっている可能性が示唆されました。

東洋新薬は今後もすいおうの機能性をさらに解明し、生活習慣病に対応した商品の開発に注力してまいります。

〔注①〕 Glucagon-like peptide-1(GLP-1)
消化管上皮の内分泌細胞から分泌される消化管ホルモンで、食事を引き金として分泌される。
作用の一つに血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌を促進させることが知られている。

〔注②〕 GLUTag細胞
マウス大腸由来の消化管内分泌細胞で、GLP-1を産生する能力を有する。

▶お知らせ一覧にもどる