2015年04月02日

東洋新薬 『バラフ®』に肌の潤いを閉じ込めるバリア機能改善作用を確認

株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、『バラフ®』に皮膚の保湿機能に寄与する皮膚バリア機能改善作用を有することをin vitro試験にて確認し、日本薬学会第135年会において発表いたしました。

■ 『バラフ®』とは
『バラフ®』とは、南アフリカ原産のハマミズナ科メセンブリアンテマ属の植物「アイスプラント」を、佐賀大学農学部の研究開発により野菜化した佐賀大学発のブランド野菜です。
葉や茎の表面に宝石のようにキラキラと光る水滴のようなもの(ブラッダー細胞)がついていることから、スワヒリ語で「水晶」や「氷」を意味するバラフ®と名付けられました。ブラッダー細胞は、水分やミネラルの貯蔵器官として働き、乾燥した砂漠地域で生き抜くために重要な役割を果たしています。

今回当社は、新たにバラフ®に皮膚の保湿機能に寄与する皮膚バリア機能改善作用を有することをin vitro試験にて確認し、日本薬学会第135年会(2015年3月25日(水)~28日(土)、デザイン・クリエイティブセンター神戸)において発表しました。

■ 研究のポイント
当社はこれまでに、化粧品原料としてバラフ®の機能性について様々な研究を進めており、臨床試験にて皮膚の保湿作用および抗シワ作用を確認しています。そこで今回、バラフ®の保湿機能について更なる解明を進めるため、ヒト表皮角化細胞を用いて皮膚の水分調節機能およびバリア機能に及ぼす影響を評価しました。

■ 発表骨子
バラフ®搾汁凍結乾燥末(以下、バラフ®)を正常ヒト表皮角化細胞に添加し培養した後、皮膚の水分調節に関与するAQP3、AQP9〔注①〕および皮膚バリア機能に関与するタイトジャンクション〔注②〕を構成するOCLN〔注③〕の遺伝子発現量を評価しました。
その結果、バラフ®の添加によりAQP3、AQP9、OCLNの発現亢進が認められました。
また、蛍光免疫組織染色〔注④〕により、正常ヒト表皮角化細胞におけるOCLNを可視化したところ、バラフ®の添加により、タイトジャンクション形成を亢進することが認められました。さらに、皮膚バリア機能の指標である経上皮電気抵抗値(TER)〔注⑤〕を測定したところ、バラフ®の添加によりTERの有意な増加が認められました。

以上のことから、バラフ®は皮膚の水分調節機能を亢進し、また皮膚バリア機能を改善させることで、皮膚の保湿機能に寄与することが示唆されました。

東洋新薬は今後も『バラフ®』の機能性をさらに解明し、独自性の高い商品を開発し、より一層の拡販に注力して参ります。

〔注①〕AQP3、AQP9(アクアポリン3、9)
「水の通り道」と呼ばれ、皮膚の細胞膜に存在し水やグリセロールを選択的に透過するタンパク質。皮膚の水分調節を行い、皮膚の保湿に寄与することが知られています。

〔注②〕タイトジャンクション
皮膚中に存在し細胞同士を密着に結合させる構造。外来からの異物の侵入を防いだり、皮膚内の水分蒸散を抑えることで、皮膚バリア機能を発揮しています。皮膚中の水分保持により、皮膚の保湿に寄与することが知られています。

〔注③〕OCLN(オクルディン)
タイトジャンクションを構成するタンパク質の一つで皮膚のバリア機能に関与することが知られています。

〔注④〕 蛍光免疫組織染色
目的とするタンパク質に対する特異的な抗体と蛍光色素を用いて、組織中のタンパク質を可視化する実験手法。

〔注⑤〕経上皮電気抵抗値(TER)
細胞層の両極に生じる電気抵抗値。細胞層のバリア機能が高いと、電気抵抗値が高くなります。

▶お知らせ一覧にもどる