2014年10月28日

東洋新薬 『葛の花エキス™』の非アルコール性脂肪肝(NAFL)改善作用を臨床試験にて確認

株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、一般社団法人 オリエンタル上野健診センター 森 充子 先生と共同で、『葛の花エキス™』の新たな知見として、臨床試験で非アルコール性脂肪肝(NAFL)の改善作用を確認し、第35回日本肥満学会において発表いたしました。

■葛の花エキス™とは
葛はマメ科のつる性植物で、乾燥させた根が漢方処方の葛根湯などに使用されていますが、葛の花エキス™は、葛の花部から抽出して製造される機能性食品素材です。

当社では、葛の花エキス™の機能性について研究を重ねており、継続的に摂取することで、腹部内臓脂肪や皮下脂肪を低減させる抗肥満作用をはじめ、非アルコール性脂肪肝(NAFL:Non-alcoholic fatty liver)の発症抑制作用を動物試験で確認しております。

今回当社は、臨床試験において葛の花エキス™のNAFL改善作用を確認し、第35回日本肥満学会(2014年10月24日(金)~25日(土)、宮崎シーガイアコンベンションセンター)において発表いたしました。

■研究の背景
脂肪肝の中には飲酒歴がないにも関わらず発症するNAFLが知られており、肥満や運動不足といった生活習慣の乱れが関与していると考えられています。NAFLの中には、非アルコール性脂肪肝炎(NASH:Non-alcoholic steatohepatitis)という、肝臓の炎症や線維化を伴う脂肪肝炎へ進行する可能性があることから、NAFLが重要な病態と言われております。

当社はこれまでに、NAFLに類似したモデルマウスを用いて、葛の花エキス™がNAFLの発症抑制に有効であることを確認しております。
そこで今回当社は、臨床試験にて葛の花エキス™が持つNAFLの改善作用を検証しました。

■発表骨子
アルコール摂取量が20g/日以下、かつエコー検査にて脂肪肝が確認された軽度肥満男性21名を対象に二重盲検群間並行試験〔注①〕を実施しました。葛の花エキス™を300mg含有する錠剤(葛の花エキス群)または、葛の花エキス™を含まない錠剤(コントロール群)を8週間摂取させ、ALT〔注②〕および肝脾CT値比〔注③〕の評価を行いました。

その結果、葛の花エキス群では、摂取前およびコントロール群と比較して、ALTが有意に低値を示し、特に摂取8週後の検査においては30U/Lを下回っていることも確認されました。また、摂取前の肝脾CT値比が1.0以下の被験者で、さらに最大、最小値の被験者を除いて層別解析をしたところ、摂取前と比較して肝脾CT値比の上昇傾向が認められました。
以上のことから、葛の花エキス™がNAFLの改善作用を示すことが示唆されました。

東洋新薬は今後も『葛の花エキス™』の機能性をさらに解明し、独自性の高い商品を開発し、より一層の拡販に注力して参ります。

〔注①〕二重盲検群間並行試験
二重盲検試験とは、被験者の思い込みによる影響や試験実施者の挙動が被験者に影響を与える可能性を排除するために、被験者および試験実施者側に試験品の中身を知らせずに効果を検証する試験です。
また、並行群間試験とは、異なった2群以上に被験者を分け、試験品またはプラセボを同時期に摂取させ、それぞれの結果を集計して評価する試験です。

〔注②〕ALT
アラニンアミノ基転移酵素(Alanine aminotransferase)の略です。肝臓細胞に多く含まれる物質であり、血中のALT濃度が肝臓障害の程度の指標として利用されます。血中ALT値が30U/L以上でNAFLである可能性が高いと報告されております。1)

〔注③〕肝脾CT値比
脂肪肝の診断の際に用いられる値です。腹部CT画像解析を行い、肝臓のCT値を脾臓のCT値で割った値であり、1.0以下の値であれば脂肪肝と判断されます。

=参考文献=
1) Prati et al. Ann Intern Med., 137, 1-10, 2002

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