2014年11月04日

東洋新薬 三相乳化技術を用いた日焼け止め乳液の抗シワ作用を確認 ― 保湿機能と日焼け止め機能の両立に成功 ―

株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、三相乳化技術を用いた日焼け止め乳液が保湿機能と日焼け止め機能を両立し、抗シワ作用を有することを確認し、第21回日本未病システム学会学術総会において発表いたしました。

■三相乳化技術とは
三相乳化技術〔注①〕は、従来用いられてきた界面活性剤の化学的作用による乳化ではなく、柔らかい親水性ナノ粒子の物理的作用(ファンデルワールス引力)を利用した新しい乳化技術です。当社ではこれまでに、化粧品開発に三相乳化技術を生かして、みずみずしい感触とクリーム級の保湿力を両立したクリームインジェルや、耐水耐汗性に優れているハンドクリーム、デオドラントクリームなどを開発して参りました。

■研究の背景(三相乳化技術の日焼け止め化粧品への応用)
一般的に日焼け止め化粧品には高い紫外線防御能を発揮させるために、紫外線散乱剤を高配合しています。紫外線散乱剤は水分や油分を吸着しやすく、塗布時のきしみ感や塗布後の肌乾燥を招きやすいという問題がありました。その対策として水溶性保湿成分を加えても、保湿成分が紫外線散乱剤と凝集・沈殿してしまい、保湿作用が発揮されにくいという問題がありました。

今回当社は、三相乳化技術を用いて開発した日焼け止め乳液(以下、三相乳化UVミルク)について、配合した保湿成分の作用が発揮され「乾燥による小ジワを目立たなくする」作用があることを確認し、第21回日本未病システム学会学術総会(2014年11月1日(土)~2日(日)、千里ライフサイエンスセンター)において発表いたしました。

今回実施したシワに対する試験は、日本香粧品学会が定めた化粧品機能評価法ガイドライン〔注③〕の「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」に従って実施された試験であるため、三相乳化UVミルクは「乾燥による小ジワを目立たなくする」という表示・広告が可能となります。

■発表骨子
(実験①)
健常成人10名(31.2±5.0歳)を対象に、その前腕部分に2種類の試験品(三相乳化UVミルク、及び界面活性剤で乳化した以外は同処方の対照品)を別々の部位に1週間継続して塗布し、試験前後での塗布部位の角層水分量の変動を測定しました。

その結果、三相乳化UVミルクを塗布した部位は、対照品を塗布した部位に比べて角層水分量が有意に高くなりました。

この結果より、三相乳化UVミルクでは保湿作用が発揮されることが示唆されました。

(実験②)
健常成人女性で顔面にシワを有する者17名(44.6±3.3歳)を対象に、日本香粧品学会の化粧品機能評価法ガイドラインの方法に則り試験を実施しました。半顔に三相乳化技術を用いた三相乳化UVミルクを4週間塗布させ、逆側の半顔には何も塗布させませんでした。試験開始前と塗布後(4週間後)に、三相乳化UVミルクを塗布した側と、無塗布側のシワグレードを評価するとともに、レプリカ法でシワの形状を採取し、その変動を比較しました。三相乳化UVミルクを塗布した側はシワグレードが低下し、無塗布側に比べて最大シワ最大深度(μm)についても有意な減少が認められました。試験期間中、三相乳化UVミルクの使用に関連した有害事象(一次刺激性)の発生は認められず、三相乳化UVミルクは安全な化粧品であると判断されました。
三相乳化技術は様々な形態の化粧品を乳化できる技術であり、肌にやさしく保湿作用にも優れ、様々な機能性化粧品への利用に期待がもたれていますが、その一端として今回の試験では日焼け止め化粧品にも適していることが示されました。

東洋新薬は今後も三相乳化技術を用いた独自性の高い化粧品を開発し、より一層の拡販に注力して参ります。

〔注①〕三相乳化技術
親水性ナノ粒子の物理的な作用(ファンデルワールス引力)によって乳化を行う神奈川大学の特許技術(特許第3855203号『乳化分散剤及びこれを用いた乳化分散方法並びに乳化物』)で、化粧品のみならず、食品、燃料、農薬などのさまざまな分野で利用されており、国内のみならず海外の多くの企業からも注目を集めています。化粧品製造に利用した場合、乳化剤として必ずしも界面活性剤を使用する必要がないため、耐水耐汗性などの機能的優位性や[界面活性剤フリー]といった幅のある訴求が可能となります。

〔注②〕O/W型
水と油を乳化する場合、水相中に油を取り込む「水中油滴(O/W型)」や、その逆の「油中水滴(W/O型)」のいずれかを構成します。O/W型の場合、W/O型に比べるとベタつきの少ないみずみずしい化粧品に仕上げることが出来ます。

〔注③〕日本香粧品学会の化粧品機能評価法ガイドライン
日本香粧品学会が定めた機能性の高い化粧品の性能を評価するための試験方法を記したガイドラインになります。今回はそのうちの「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」に従った試験を行いました。このガイドランで定められた試験で有効性を認められた化粧品に関しては「乾燥による小ジワを目立たなくする」と表示・広告することが厚生労働省により認められています。

 

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