2011年05月17日

東洋新薬 「フラバンジェノール®」のメタボリックシンドロームに対する作用機序および活性成分を確認

株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、フラバンジェノール®のメタボリックシンドロームに対する作用機序および活性成分を確認しましたので、日本薬学会第131年会において発表いたしました。(*)

フラバンジェノール®とは、東洋新薬の独自素材で、フランス南西部ランド地方を主体に植林された海岸松の樹皮から抽出される機能性素材です。オリゴメリック・プロアントシアニジン(OPC)を主成分としたポリフェノールを豊富に含み、抗酸化作用や血流改善作用など様々な生理活性を示すのが特徴です。
今回東洋新薬は、武蔵野大学薬学研究所生薬療法学研究室の油田正樹教授、嶋田努講師との共同研究により、フラバンジェノール®のメタボリックシンドロームに対する作用機序および活性成分を確認しましたので、日本薬学会第131年会(2011年3月28日(月)~31日(木)、静岡・ツインメッセ静岡ほか)において発表いたしました。(*)

(*)東日本大震災で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
本震災の影響で、日本薬学会第131年会の開催は中止となりましたが、学会より特例として「本年会は既に要旨集を発行しており、年会は成立したものとします」旨の発表がなされています。

■ 発表骨子
自然発症肥満型糖尿病動物であるTSODマウス〔注①〕にウェスタンダイエット食〔注②〕とフラバンジェノール®を混合した飼料を2ヶ月間自由摂取させ、メタボリックシンドロームに対する諸症状、特に、肝中脂質量、脂肪燃焼系遺伝子の発現を解析しました。その結果、メタボリックシンドロームに対して好影響を示すだけでなく、脂肪蓄積抑制作用、脂肪燃焼系遺伝子の発現誘導作用を確認しました。
また、ヒト肝癌細胞HepG2〔注③〕に遊離脂肪酸を添加して脂肪肝モデルを作成し、フラバンジェノール®およびその特徴成分の一つであるプロシアニジンB1〔注④〕の効果を確認したところ、共に肝細胞内の脂肪蓄積抑制作用、脂肪燃焼系遺伝子の発現誘導作用を示すことを確認しました。
以上の結果より、フラバンジェノール®のメタボリックシンドローム予防に対する作用機序の一つとして、肝臓における脂肪燃焼系遺伝子の発現誘導が関与していることが示されました。さらに、その活性成分としてフラバンジェノール®の特徴成分の一つであるプロシアニジンB1が関与していることが明らかになりました。

東洋新薬は今後もフラバンジェノール®を用いた独自性の高い商品を開発し、より一層の拡販に注力して参ります。

〔注①〕 TSODマウス
TSODとは、Tsumura, Suzuki,Obese Diabetesのそれぞれの頭文字をとった略語である。TSODマウスは内臓脂肪型肥満や高血糖など、ヒトのメタボリックシンドロームの諸症状に類似した疾患モデルマウスであることから、生活習慣病に関するさまざまな学術研究に用いられている。

〔注②〕 ウェスタンダイエット食
西洋型食餌と呼ばれ、高脂肪、高ショ糖、高コレステロール、高カロリーの食餌の総称。生活習慣病モデル動物の作出に用いられる。

〔注③〕 ヒト肝癌細胞HepG2
ヒトの肝癌由来の細胞株のこと。肝臓の機能に関する研究によく用いられる細胞である。

〔注④〕 プロシアニジンB1
フラバンジェノール®の特徴成分OPCの一つ。

〔注⑤〕 トリグリセリド
中性脂肪の一つだが、食品中や血液中に含まれる中性脂肪のほとんどを占めるため、一般的に中性脂肪といえばトリグリセリドを指す。エネルギー源として重要な物質であるが、余分なものは体内に蓄積され、肥満や高脂血症などメタボリックシンドロームの原因となる。

〔注⑥〕 PPARα
peroxisome proliferator-activated receptor(ペルオキシソーム増殖因子受容体)の略。PPARαは肝臓、腎臓、心臓、筋肉、脂肪細胞などに発現する。脂肪燃焼に関わる遺伝子の調整を行う。

〔注⑦〕 ACO
acyl-CoA oxidase(アシルCoAオキシダーゼ)の略。ペルオキシソームにおける脂肪燃焼に関わる酵素。ペルオキシソームは、細胞小器官と呼ばれる細胞を構成・機能させている器官の1つで、様々な物質の酸化反応を行っている。

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