2008年12月04日

茎葉食用サツマイモ「すいおう」の産業化がスタート 新品種産業化研究会「すいおうシンポジウム」を開催

新品種産業化研究会(会長:西尾敏彦 社団法人農林水産技術情報協会名誉会長、事務局:社団法人農林水産先端技術産業振興センター)は、産・学・官の連携による、「すいおう」を活用して地域にイノベーションを起こすコンソーシアム作りを行うことを発表いたしました。
また、すいおうの産業化に興味をもつ生産者、加工食品メーカー、販売会社、流通など企業各社が参加し、すいおうシンポジウムが盛況に開催されました。

産・学・官連携による新品種「すいおう」の産業化推進「すいおう(翠王)」とは、茎葉を食べられるように開発されたサツマイモ(甘藷)の品種の一つです。
「すいおう」には、ポリフェノールやミネラル、ビタミン、ルテインが豊富に含まれることが知られており、抗高血糖、抗高血圧といった機能性も明らかになりつつあります。
新品種産業化研究会は、新品種の速やかな普及と新品種を活用したイノベーションを地域に巻き起こすことを目的とし、2008年11月13日に、会長 西尾敏彦、事務局 社団法人農林水産先端技術産業振興センター(以下、STAFF)として設立された組織です。
また、分科会の第一号として、「すいおう分科会」を設置することが決定しました。
今回のすいおう分科会のように、新品種を活用して地域にイノベーションを巻き起こすため、新たな技術開発を行うということは、これまでなかった試みです。

今回は、最初の研究会活動として、2008年12月2日に自転車会館ホールにおいて、すいおうシンポジウムを開催いたしました(共催:株式会社東洋新薬[注1])。そして、すいおう分科会の世話役として、山川 理氏 (社団法人農林水産先端技術産業振興センター)、須田 郁夫氏(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構)が選ばれました。

《多面的に紹介されるすいおうの魅力》
すいおうシンポジウムには、「すいおう」を栽培している農業関係者を代表して、ANET有限会社 尾曲 修二氏より、「すいおうの生産と食品加工の将来性」全農 営農総合対策部 田中 公博氏より「千葉県におけるすいおう青果販売の取り組みについて(事例紹介)」と題した講演が行われ、すいおうによる地域おこしへの取り組みが紹介されました。
また、「すいおう」の研究を行っている研究者を代表して、農研機構 九州沖縄農業研究センター 吉元 誠氏より「すいおうの栄養と機能性」、と題した講演が行われ、すいおうの更なる機能の解明への期待が紹介されました。
更に、「すいおう」の利用に関して料理/調理道具研究家の北山 都土里(みどり)氏より「食材としてのすいおうの利用方法について」と題した講演が行われ、日常に取り入れることのできるすいおう料理が紹介されました。
また、同日の交流会では、すいおうの粉末を練りこんだパスタ料理や、生葉を利用したサラダといったすいおう料理、すいおうの焼酎等も提供されました。

すいおうシンポジウムには、育種・栽培・加工・流通・販売といった広範囲に及ぶ企業関係者が参加いたしました。すいおうは、単に美味しさだけではなく健康を訴求できる新しい食材として、生食・加工品ともに産業化が期待されます。

今後も、「すいおう分科会」を中心として、茎葉を利用するサツマイモの新品種「すいおう」のさらなる進化に努めて参ります。

[注1] 株式会社 東洋新薬
東洋新薬は、社名に「薬以上に健康に寄与する新しい商品を提供する」という思いを込めて、1997年に創業した健康食品・化粧品のODMカンパニーです。
コア・コンピタンスである「商品開発力」「研究開発力」「製造ノウハウ」をベースに、健康食品・化粧品の、事業全般に亘るコンサルティングや商品企画からマーケティング支援までの、多種多様なビジネスソリューションを提供しています。
トクホ(特定保健用食品)許可取得数は139件と日本一(2008年10月現在)で、そのノウハウを活用した独自のCRO事業(トクホ開発と臨床試験受託)も展開しています。また、ビタミンCの600倍の抗酸化力を持つ松樹皮抽出物「フラバンジェノール®」をはじめとする独自素材を中心に、機能性素材の研究開発にも注力しています。
製造工場は、サプリメントFDA-GMP(米国食品医薬品局が定めた製造・品質管理基準)に準拠し、ISO9001:2001およびISO22000:2005を取得しており、厳しい品質管理システムを構築しています。
詳細は、ホームページ(www.toyoshinyaku.co.jp)をご参照ください。

[注2] すいおう分科会
すいおうの産業化を目的とし、2008年11月13日に設立された新品種産業化研究会の分科会として同日発足。
世話役 山川理 社団法人農林水産先端技術産業振興センター、須田郁夫 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

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